ラセンウジバエ解決法

星ぼしの荒野から (ハヤカワ文庫SF) 星ぼしの荒野から (ハヤカワ文庫SF)
ジェイムズ,ジュニア ティプトリー
¥ 882
早川書房

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amazonユーザーによるレビュー
ラセンウジバエだけでも価値あり平均評価:4
短編『ラセンウジバエ解決法』はジェンダーテーマの傑作だ。ティプトリーの同種の傑作にはこんなのがあった。『男たちの知らない女』では、ある男女の集団がエイリアンに遭遇するが、女たちは男を見捨ててエイリアンと宇宙に旅立つ。『ヒューストン、ヒューストン、聞こえるか?』では、宇宙飛行士たちが女だけが生き残った未来にタイムスリップするが、もはや女たちが男を必要としていないことを知る。そしてこの『ラセンウジバエ』では、女性殺し(フェミサイド)が社会現象化し、女たちは都会を捨て難民化する。ヒロインの手紙や新聞記事を繋ぎ合わせ、リアルリティを盛り上げる。やがてフェミサイドが化学的な操作による可能性が示唆される。言いたいことは男の暴力性であって、それは『ヒューストン』とまったく同じなのだが、どちらもSF的あるいはホラー的な味付けがうまく、ぐいぐい引き込まれる。(作者の最初のご主人が暴力的だったのかな?)あと、収録作では『スロー・ミュージック』が美しいが、悲しすぎる。
SFを読み飽きた人も、この本は読んでみてください。平均評価:5
この本はSF短編集です。
今まで読んだことも聞いたことも無い手段でスマートに地球を侵略する話や、友好的に地球にやってくる来る宇宙人の話、宇宙人が登場しない短編もあります。
しかし、全ての短編が、新鮮です。どこかで聞いたような話は一つもありません。

惑星間戦争、人類vs宇宙人、と言えばスターウォーズやガンダム、エイリア、プレデター、スタートレックなどをが思い浮かびます。
登場する兵器は多種多様ですし、どんな兵器を登場させるかが、作者の腕の見せ所だったりします。
しかし、この本は、そんな戦い方(戦争)の常識を根底からひっくり返してくれます。
戦いは一切なしで、人類を絶滅させる方法を思いつきますか?
なかには、爆弾なし毒ガスなし生物兵器なし核兵器全部なし、誘拐やパンチやキックもなし、天変地異も一切なしで、地球上から人類を一掃する話もあります。

こんな感じで全ての短編が、新鮮でおもしろいです。
SFを読み飽きた人も、この本は読んでみてください。

バリエーション豊かで楽しめます平均評価:3
表紙の絵がマンガっぽいので正直言ってあまり期待していなかった。しかし収録された10編はどれも非常に楽しめた。この作家は人類に対してはなかなか厳しい視点の持ち主だ。 「天国の門」「ビーバーの涙」、そしてネビュラ賞受賞作品「ラセンウジバエ解決法」などはエイリアンテーマのブラックユーモア風の作品。 「時分割の天使」では、時分割という方式をどういう話に膨らませるかが興味があったが、予想に違わない秀作。 「われら<夢>を盗みし者」のファンタジー風のストーリーの悲しい未来を予想させる結末。「スローミュージック」では未来史の一面を見せたかと思えば、「汚れなき戯れ」ではわずか10数ページの中に幻想的な雰囲気を描いている。(ムーア風とでも言おうか・・・) 表題作「星ぼしの荒野から」はアイデアに満ちた作品で、エイリアン物としても傑作の部類ではないだろうか。 掉尾を飾る「たおやかな狂える手に」はキャラクタ設定も良いが、アイデアが秀逸。もっと高い評価が与えられても良いいのではないかと思える。 こういう作品に遭遇すると、まだまだこのジャンルを読み足りない自分に気づいてしまう。まだまだ、書棚で本を探す幸せがあるというものだ。
まったくもって少女趣味丸出しなのですが平均評価:5
この短編集の中に収録されている「たおやかな狂える手に」を何度も読み返しました。基本的にティプトリーはここで流すのか、という意外性のあるドライさと、それが後で効いてくるネタの重さがあると私は思います。

ですが、この「たおやかな狂える手に」や、別の短編(中篇)である「たった一つの冴えたやりかた」などは、ずっと捨てきれない私の中のロマンチスト的な部分をきちんと刺激してくれます。
読み手の姿勢としては自慰的であまりお勧めのできるものではありませんが、たまにはこんな読み方をしたいときもあるので、重宝しています。


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