「
草すべり その他の短篇
」
草すべり その他の短篇
南木 佳士
¥ 1,575
文藝春秋
在庫あり。
受賞一覧
2008
年
第36回泉鏡花賞
(
南木佳士
)
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amazonユーザーによるレビュー
わけが分からない
4つの短篇が載ってます。 草すべりはまあまあでした。 旧盆は、一体 どこからどこまでが誰の話で、
いつ、どこで起きた事なのか、つじつまが合わず、途中で読むのを諦めました。 なんだか、朦朧とした
気分にさせられました。 やっぱり、本は物書きに任せて、ご自分は本業に戻られた方がいいかも。
自然に生かされている自分、そして未来へ
文学界に2006年から2008年に発表された本題と他3篇。
南木さんがパニック症候群からうつ病をへてたどり着いた山登りという文脈を綴っている。
日帰りのピクニックの様な登山からやがて山小屋に泊まりながらの登山へと次第に難度をましていく中で生きる事を噛み締めている様でもある。
3歳で母親を亡くし裕福では無い寒村での祖母との暮らしが常に南木さんの文章の底流をなしている。
いつの日か高山植物が咲き乱れる文章に出会いたいと思うの僕だけだろうかと思った一冊である。
なんとはなしに解放される作品 静謐、静謐、静謐
・私小説的、あるいはエッセイのような…。生と死を正面から見つめ、ゆっくりとリハビリしていくという静謐な短編が集まった本です。疲労して帰宅し、読んでいると、なんとはなしに解放される心地良さがあります。
・うつ病に苦しんだ後も、メンタル面の重石と向き合い、無理なく「私が存在している事実を確認」していく、自然と足の赴くままに確認していこうとする55歳の内科医の日々。登山が好きな中年以降の人なら、一段と引き込まれるかもしれません。
・ストーリーらしいストーリーはありません。一気に読んでしまいそうで、そうするには惜しくて、でもずいずいと読み進めてしまう本だと思います。人に薦めたくて、自分の書評ブログで紹介しました。ぜひ、皆さん、『草すべり その他の短編』ご一読を。
自分の背景というものの豊かさ
「本当の自分などというものはない」とよく言う。
確かに、あるのは今の自分だけだろう。
しかし、自分が自分を十分知っているかというと、そうではない。
いまある自分が成り立っている背景には、自分に及びもつかない多くのものがある。
『草すべり』はそういうことを、リアルに教えてくれる。
生きていくこと自体が、思いがけない、思い及ばないことが多い。
生きていくことの意味、あるいは、今生きていることの意味はなんだろう?
そう考えると、自分というのはいったい何だろうという、素朴な疑問にぶつかる。
人は自分という世界の中を生きている。
その中で人に会い、さまざまな経験をする。
主人公の世界と沙絵というかつてのクラスメートの住む自分世界はまったく違う。
それが一時、登山という形で交わるわけだが、
それは、今まで自分の視界が届かなかった自分の背景を照らし出すことになる。
それは、ある意味で、自分の知らない本当の自分なのかもしれない。
小説というのは、そういう本当の自分の姿、
つまり、生き様を描き出す。
それは、生きていくことの意味と同時に、
人間にとって、幸せとはいったい何なのだろうという問いを、
生じさせる。
これが、小説の醍醐味だと思うが、
この作品は、多くを語ってはいないが、
読む側の人間に、自然に、
自分自身を考えさせる何かを感じさせる。
そして、本を離れて、自分自身のことを考えている、
そういう自分を、ふっと、見出す。
そういう作品である。
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