「
輝くもの天より墜ち
」
輝くもの天より墜ち (ハヤカワ文庫SF)
ジュニア,ジェイムズ ティプトリー
¥ 987
早川書房
在庫あり。
受賞一覧
2008
年
第39回星雲賞
海外長編部門 (
ジェイムズ・ティプトリー・Jr.
)
第9回SFが読みたい!ベストSF
海外編第4位 (
ジェイムズ・ティプトリー・Jr.
)
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amazonユーザーによるレビュー
タイトルの素晴らしさ
この物語のタイトルは意味ありげである。 綺麗なダミエム人が最後には合理的な生き物に堕ちたその意味と取ることもできるし、宇宙に散ったザスターのことともとれる。
作者の心の中が作品に表れていると感じられる。死を望むものと死なないもの、生に狂ったもの作者の見事なセンスで描かれている。
この重量感がティプトリー作品の醍醐味
ノヴァのガス雲通過を見物するために異星に集った10数人の人々が巻き起こす、ミステリ風味の、ちょっとだけドンパチがあるけど基本的にはそんなに騒がしくない話。ストーリーだけ追えば、どうということはない。
ただ、読み始めてわりと早いうちに、ある「匂い」を感じた。そう、『たったひとつの冴えたやりかた』と同じあの匂い。この先には、アレと同じ、胸が締め付けられるような悲劇が待っているという確信。もちろんティプトリーのこと、単なる悲劇で終わらせない、至高の読書体験も待っているに違いない。
先に進むのにこれほど勇気を振り絞らなければならない本があるとは。それくらい、『たったひとつの……』にはトラウマに近い衝撃を受けたわけだが、まぁ、だからと言って読まずに我慢できるわけがない。マゾヒスティックな快感を感じつつ、読む。
案の定(?)、物語では次々に悲劇が巻き起こるわけだが、「これか?」「それともこれか?」と自問しつつも先へ先へと読み進む。最後はある意味、極めつけの悲劇が待っているわけなんだけど、「ガーン」というショックというよりは、むしろ「ずしーん」という果てしない重量感。本を持つ手が震えたよ。あぁ、これだからティプトリーはやめられん。
伝説の作家の新刊(合掌)!
衝撃的な死で知られる作家だけに、まさか新刊が読めるとは思いませんでした。それだけで押し頂いて読みました。「星のしずく」に関わる背徳事件の星・ダミエムが舞台!
中盤まではぐいぐいひきこまれるほど面白い。ただ、飛行ヒューマノイド・ダミエム人のサイズが大きすぎて(人類と同じくらい)、それじゃ飛べないよ、という邪念に最後まで悩まされました。
登場人物が多すぎるのと、多くの要素が持ち込まれすぎて、終盤は焦点がずれかけた感じです。短編集「愛はさだめ、さだめは死」のような完成度を求めてはいけません。
ただ、一度起きたことが簡単に取り返せない結末は良かったです。
突然ですが、スーパーボーイのプリンス・パオ万歳!
二十一世紀に読む、22年前の古典SFサスペンス
本作は、「たった一つの冴えたやり方」というタイトルが
数多くの作品で引用されていることで有名なSF作家、故人
ジェイムズ・ティプトリー・ジュニアの2つの長編小説の
一つで、新規翻訳です。
本作は異星人の住む惑星を舞台にしたSFサスペンスですが、
もとは1985年の小説であり、グレッグ・イーガンのように
先鋭的ではなく、ロバート・J・ソウヤーのようにSFとサス
ペンスの融合に凝っているわけでもありません。
虫から進化した異星人たちと人類の交流は今読むと牧歌的
ですらありますし、サスペンスとしてもSF的な部分は少なく、
きわめて古典的なものです。
しかし、ストーリーテリングが素晴らしいのです。
主要登場人物だけでも十五人におよぶサスペンスが、
みごとに異星で展開されます。残酷な場面があり、
痛々しい描写があっても、私のような読者を読み続け
させる力があります。
そして、最後の落日。余韻に圧倒されます。
魅惑的な世界・登場人物なのですが・・・。
世界観や登場人物の設定は秀逸です。序盤はじっくり時間をかけて、小説の舞台である「ダミエム星」に読者を引きずりこんでくれます。ただし、情景描写が乏しい場面がいくつもあり、大事な場面で一体何がどうなったのか、なぜそんな事が起こってしまったのか、何度も読み直さないといけないところがあります。原作がそうなのか、それとも邦訳上の問題なのか・・・。
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